元時津風親方の現在と転落の真相|暴行事件と雀荘問題の歴代処分を追う
大相撲の歴史において、双葉山が創設した名門中の名門として知られる時津風部屋。数多くの横綱・大関を輩出してきた伝統ある名跡ですが、ネット上や相撲ファンの間では「元時津風親方」にまつわる波乱の歴史と数々の不祥事が今なお語り継がれています。特に相撲界を根底から揺るがした前代未聞の暴行事件による解雇劇と、コロナ禍における前代未聞の不祥事による退職勧告は、角界の体質改善を促す大きな転換点となりました。
かつて部屋の師匠を務めた元親方たちはどのような処分を受け、その後どのような人生を歩んでいるのでしょうか。本記事では、15代および16代の「元時津風親方」が起こした事件の全貌から日本相撲協会の処分経緯、そして2026年現在に至るその後の足跡と部屋のいまを詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:15代時津風(元小結・双津竜/山本順一氏)は2007年の力士暴行死事件で日本相撲協会から史上初の解雇処分を受け、実刑判決を経て服役。2014年に病没した。
- 要点2:16代時津風(元幕内・時津海/坂本正博氏)は2021年の初場所中に度重なる雀荘通いなどガイドライン違反が発覚し、相撲協会から退職勧告処分を受けて角界を去った。
- 要点3:現在の時津風部屋は元幕内・土佐豊(17代時津風)が師匠として継承し、コンプライアンスの徹底と名門再建に向けた弟子育成を続けている。
【歴代の系譜】名門・時津風部屋を揺るがした2人の「元親方」とは
大相撲の「時津風」の名跡は、大横綱・双葉山(十二代時津風)が一代で築き上げた輝かしい歴史を誇ります。しかし、近代の大相撲史においてこの名跡は、相撲協会の歴史に残る2大不祥事の舞台となってしまいました。
一般的に「元時津風親方」として取り沙汰される人物は、主に以下の2名です。
- 15代時津風(元小結・双津竜/山本順一氏):2007年に発生した新弟子リンチ死事件の首謀者として相撲協会から解雇され、刑事裁判で有罪判決を受けた。
- 16代時津風(元前頭3枚目・時津海/坂本正博氏):15代の急遽解雇に伴い現役引退して部屋を継承したが、2021年にコロナ禍の行動規範違反で退職勧告処分を受けた。
名門を率いた歴代師匠が立て続けに不祥事で角界を追われるという異常事態は、当時の大相撲界に極めて深刻な衝撃を与えました。
【15代・山本順一】角界激震の力士暴行事件と解雇・裁判の全貌
2007年6月、愛知県犬山市の宿舎で当時17歳の新弟子が急死する痛ましい事件が発生しました。当初は「稽古中の心不全」と説明されていましたが、遺族の強い不信感から遺体の司法解剖が行われ、全身の激しい打撲痕や外傷性ショック死の事実が白日の下に晒されました。
これが角界の暗部を浮き彫りにした時津風部屋力士暴行事件です。警察の捜査が進むにつれ、日常的な「かわいがり」と称する暴行の実態や、ビール瓶での殴打、さらには兄弟子たちに金属バットを持たせて集団暴行を指示していた生々しい事実が判明しました。
日本相撲協会は事態の重大性を重く受け止め、2007年10月、山本順一氏に対して最も重い懲戒処分である「解雇処分」を下しました。師匠が弟子への暴行容疑で相撲協会から解雇されたのは史上初の事態でした。
その後の刑事裁判において、山本順一元親方は一貫して無罪を主張したものの、裁判所は「指導の域を完全に逸脱した理不尽な集団暴行の首謀者」と断定。2011年に最高裁判所で懲役5年6ヶ月の実刑判決が確定しました。
服役した元親方は刑務所で刑に服していましたが、刑期途中に体調を崩し、2014年8月に東京都内の病院で肺がんのため死去(享年64)。角界を揺るがせた事件の主犯は、重い十字架を背負ったままその生涯を閉じました。
【16代・時津海】コロナ禍の雀荘通いと退職勧告|決定的な処分理由
15代の解雇劇を受け、部屋を存続させるために現役を急遽引退して16代時津風を襲名したのが、元前頭の時津海(坂本正博氏)でした。混乱に陥った名門の再建を託され、大関・正代らを育成するなど手腕を発揮していましたが、2021年1月、再び世間を揺るがす不祥事を起こします。
当時、日本中が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下にあり、日本相撲協会は初場所の開催に向けて力士・親方衆に不要不急の外出自粛を厳格に義務付けていました。しかし、16代時津風親方は場所中にもかかわらず、東京都内の雀荘への頻繁な通い詰めや知人との会食、マッサージ店通いを繰り返していたことが週刊誌報道でスクープされたのです。
相撲協会による調査の結果、ガイドライン違反の事実は明白となりました。16代親方は過去(2010年)にも野球賭博問題への関与で降格処分を受けた前歴があり、2020年秋にも不要不急のゴルフコンペ参加で戒告処分を受けたばかりでした。
度重なる規律違反と協会の信頼を失墜させた責任を重く見た日本相撲協会コンプライアンス委員会は、懲戒解雇に次ぐ重罰である退職勧告処分を決定。16代親方はこれを受け入れて退職届を提出し、相撲界から完全に姿を消すこととなりました。
【元時津風親方の現在】角界を追われた16代・坂本正博氏のその後
相撲協会から退職勧告を受けて角界を去った16代時津風こと坂本正博氏は、その後どのような生活を送っているのでしょうか。
退職直後は公の場から姿を消していましたが、処分から年月が経過した現在では、民間人として実業・飲食関連のビジネスやYouTubeなどのネットメディアに登場する機会も見られます。相撲界で培った人脈やネームバリューを活かしつつ、相撲の解説や過去の思い出を語るトーク番組に出演するなど、角界の外側から独自の活動を続けています。
ただし、相撲協会との関係は完全に切れており、日本相撲協会の公式行事や国技館の土俵周りに関わることは一切許されていません。伝統ある名門部屋の看板を下ろさざるを得なかった代償は、今なお大きな影を落としています。
【再建への道】現在の師匠・17代時津風(元土佐豊)が担う部屋のいま
相次ぐ不祥事に揺れた時津風部屋ですが、2021年2月以降は元幕内・土佐豊である間垣親方が17代時津風親方として部屋を継承しました。
17代師匠(現在の師匠)は就任以来、徹底したコンプライアンス遵守とオープンで風通しの良い指導体制を構築。協会のガイドラインを厳格に守りながら、所属力士たちのメンタルケアと技術向上に努めています。
部屋創設者である双葉山が遺した「うっちゃり相撲」ではなく「正攻法の寄り・押し」を重視する伝統の相撲道を取り戻すべく、弟子たちの育成に全力を注いでおり、部屋は再び活気と信頼を取り戻しつつあります。
【元 時津風 親方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:15代時津風親方(双津竜)はなぜ逮捕・実刑判決を受けたのですか?
A1:2007年に発生した新弟子暴行死事件において、ビール瓶での殴打や兄弟子への暴行指示など、傷害致死罪の首謀者として起訴されたためです。最高裁で懲役5年6ヶ月の実刑判決が確定し、服役しました。
Q2:16代時津風親方(時津海)が退職勧告を受けた具体的な理由は何ですか?
A2:2021年1月の初場所中、新型コロナウイルスの感染防止対策として協会が定めていた外出禁止ガイドラインを破り、雀荘への出入りや会食を繰り返していたためです。過去の賭博問題による処分歴も考慮され、厳しい退職勧告処分が下されました。
Q3:時津風部屋の現在の師匠は誰ですか?部屋は今も存続していますか?
A3:時津風部屋は現在も東京都墨田区で存続しており、元幕内・土佐豊(木村祐一氏)が17代時津風親方として部屋を統括しています。コンプライアンスの徹底と名門の再建が進められています。
まとめ:名門復活の行方と過去の教訓が角界に残したもの
大相撲の長い歴史において、時津風部屋が経験した一連の事件は、旧態依然とした指導体制やモラルの欠如に厳しい警鐘を鳴らしました。15代親方による暴行事件は角界全体の体罰根絶とコンプライアンス改革の起点となり、16代親方の退職劇はプロアスリート集団としての自己規律の重さを再認識させる結果となりました。
二度にわたる激震を乗り越え、現在は17代時津風親方のもとで新たな歴史を刻んでいる時津風部屋。過去の過ちを決して風化させることなく、土俵の上で誠実な相撲を見せ続けることこそが、相撲ファンからの信頼を完全に取り戻す唯一の道と言えます。 (出典: 元 時津風 親方(Yahoo!ニュース))