樹木希林と旦那・内田裕也の40年別居!警察沙汰と遺産相続の真相
樹木 希林 旦那というキーワードを打ち込む手が止まらない読者は多いはずだ。希代の怪女優・樹木希林と、日本の音楽史に爪痕を残したロックンローラー・内田裕也。二人が旅立って数年が経過した今もなお、その破天荒なパートナーシップは人々の関心を集め続けている。なぜ、半世紀近くも別居を貫き、数々の騒動に見舞われながらも婚姻関係を続けたのか。そこには、常識的な夫婦像をあざ笑うかのような、唯一無二の絆が存在していた。
芸能史に類を見ない夫婦関係を振り返るとき、樹木 希林 旦那という組み合わせが放つ強烈な引力にあらためて驚かされる。暴れる夫と、それを平然と見守る妻。二人の歩みは単なるゴシップの域をとうに超え、現代における家族のあり方そのものを問い直す極上のヒューマンドラマだった。
出会いからわずか数ヶ月での電撃婚と「別居生活40年」の幕開け
二人の出会いは1973年。ドラマの現場ですれ違い、言葉を交わした瞬間から運命の歯車が狂い咲いた。交際開始からわずか数ヶ月、互いに着古したジーンズ姿で区役所に婚姻届を提出したエピソードは、今も語り草だ。
しかし、甘い新婚生活は長くは続かなかった。同居期間は実質1年半ほど。激しい気性を持つ夫との衝突が日常化し、家財道具が宙を舞う事態が頻発したためだ。樹木希林は自らの安全と生活を守るため、別居を選択。ここから、40年以上にわたる「離れて暮らす夫婦生活」という前代未聞の物語が幕を開けた。
樹木希林と旦那・内田裕也の破天荒な結婚生活と知られざる真相
世間を幾度となく騒がせたのが、1981年に内田裕也が無断で提出した離婚届だった。ハワイから帰国した樹木希林は即座に無効を訴えて提訴。前代未聞の裁判沙汰となったが、彼女は「離婚する理由がない」と一貫して主張し、勝訴を勝ち取った。夫を手放さない執念の裏には、「彼を野放しにすれば誰かに迷惑をかける。自分が責任を取る」という冷徹なまでの覚悟があった。
さらに2011年、夫が女性トラブルで警察沙汰となり逮捕される事件が勃発。謝罪会見に黒の着物姿で現れた樹木希林は、取り乱すどころか「彼を野放しにした私の責任」と語り、記者陣を沈黙させた。この超然とした態度は日本中を驚嘆させた。
晩年に向けて彼女が周到に進めたのが、不動産をはじめとする資産整理と遺産相続の準備だった。金銭トラブルが絶えなかった夫を経済的にコントロールしつつ、娘や孫たちに禍根を残さないための緻密な防衛策。激しい嵐のような夫を愛しながらも、現実的な生活基盤を決して崩さない強かさこそが、彼女の真骨頂だった。
娘・内田也哉子と本木雅弘が受け継いだ「内田家の流儀」
この破天荒な両親のもとに生まれた娘の内田也哉子は、幼少期から独特の孤独と葛藤を抱えて育った。学校の行事に現れるのは、別居中の父と飄々とした母。その複雑な心境は、後に『文藝春秋』などで発表されたエッセイや回想録にも生々しく綴られている。
その内田家に婿養子として入ったのが、俳優の本木雅弘だった。希林の慧眼により家族の一員となった本木は、義父である内田裕也のロックな狂気と、義母である希林のリアリズムを間近で受け止め、家族のバランサーとして機能した。希林が逝去し、追うように裕也が世を去った際、也哉子が放った「Fuckin' Rock'n Roll, Thank you very much」という言葉は、愛憎を乗り越えた家族にしか言えない最高の賛辞だった。
是枝裕和監督が愛した唯一無二の女優魂と『万引き家族』の記憶
私生活での壮絶な経験は、樹木希林の女優としての深みへと直結していた。特に是枝裕和監督とのタッグは、日本映画界に燦然と輝く金字塔を打ち立てた。
カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した映画『万引き家族』において、希林が見せた名演は世界中を唸らせた。血縁のない家族が寄せ集まる中で、不条理な現実に寄り添いながら生きる老婆の姿。そこには、自らが40年以上かけて築き上げてきた「形式に縛られない家族」への理解が、濃厚に滲み出ていた。
配信時代に再評価される『東京タワー』と日本映画界への遺産
彼女の残した名作群は、Netflixをはじめとするストリーミングサービスを通じて、若い世代や海外の映画ファンにも再発見されている。代表作の一つ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』で見せた母親像は、哀愁とユーモアが同居する彼女にしか出せない味だった。
作品の中で彼女が演じた「不完全な夫を抱える母」の姿は、現実の内田裕也との関係性と見事にオーバーラップする。台本を超えて滲み出る人間の哀しみと温かさは、デジタル全盛の今だからこそ、観る者の胸に深く突き刺さる。
ロックンロールと共鳴した「究極の愛」が現代に問いかけるもの
二人が最期に交わした言葉は、多くを語らないものだったという。入院中の希林の手を握り、声を絞り出した内田裕也。そして、夫の死から半年も経たずに後を追うように逝った妻。形ばかりの平穏を求める現代の結婚観から見れば、二人の生き方は狂気の沙汰に映るかもしれない。
だが、お互いの魂を誰よりも深く理解し、決して裏切らなかったその絆は、どんな美しい誓いの言葉よりも強固だった。ロックンロールと女優魂が火花を散らした半世紀。樹木希林と内田裕也が遺した足跡は、私たちが人を愛するということの深淵を、今も静かに照らし出している。 (出典: 樹木 希林 旦那(Yahoo!ニュース))